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12月4日に兵庫大学にて「ダイバーシティ&インクルージョン講習会」を開催しました。
今回は 特別講演 として、ダイバーシティ研究所代表理事の田中 太郎氏を講師に迎え、これまでのご経験や現代社会の現状を踏まえたお話をしていただきました。
ダイバーシティとは、多様な人材を積極的に活用しようという考え方のこと。 もとは、社会的マイノリティの就業機会拡大を意図して使われることが多かったが、現在は性別や人種の違いに限らず、年齢、性格、学歴、価値観などの多様性を受け入れ、広く人材を活用することで生産性を高めようとするマネジメントについていう。 企業がダイバーシティを重視する背景には、有能な人材の発掘、斬新なアイデアの喚起、社会の多様なニーズへの対応といったねらいがある。
(引用:コトバンク)
言葉の意味は上記のようになります。
なんとなくわかる、けれど実感をもってとなると、少し難しいのではないでしょうか?そこで田中先生はこのような例示をされました
ダイバーシティ(多様性)への配慮がない、または限りなく後回しにされる状況は「災害時」だそうです。人命救助や避難者ケアのためにスピードが最優先とされる状況では、多様性への配慮は重要視されません(この場合で言う多様性とは、「日本語が分からない外国人」や「食物アレルギーがある人」「疾患などのため家族以外との生活を営むことが難しい人」などを指します)。
ダイバーシティとは、状況に合わせた適切な配慮をし、全体として調和がある環境・組織づくりを進めていくこと。様々な違いを受け入れ互いに対等な関係を築いていくことこそ、ダイバーシティを推進している組織といえるとのことでした。
「ダイバーシティ」とよく混同されるのは「何事も平等・均一に」という考え方です。差別があるとして、それを表面的になくしただけというようにもとれる「数合わせ」とは意味が異なります。セミナーではそういった考え方はdiversityではなくvarietyと表現されていました。
varietyとは
主な意味: 変化(に富むこと)、多様(性)、さまざま(の)、いろいろ(な)、(同種の中の)種類、(動植物分類上の)変種
(引用:weblio英和・和英辞典)
生産年齢人口が減少していく日本においては働き手の確保のため、ダイバーシティの推進が急務となります。ただ、企業だけで取り組むのは限界もあるため、NPOや行政とともに地域でダイバーシティを推進している例もあるそうです。
ダイバーシティを実現するために、基本となる考え方は下記のとおりです。
・あってはならないちがいはなくす
違いによる不利益はなくす
機会や権利を保障し、配慮のあるソフトとハードを整備
・なくてはならないちがいを守る
多様なキャリアパス、休暇、時間の使い方を実現する
出産・育児・病気・介護など多様なライフイベントに対応する
・ちがいに寛容な社会を作る
当事者へのエンパワメント(力づけ)だけでなく、組織全体の意識改革を
制度を作るだけでなく、組織全体での研修や参画機会の創造が必要
田中先生のご経験や考え、日本の状況やこれからのことはもちろんながら、思わず笑ってしまうエピソードを交えての2時間ご講演、とても勉強になりました。
お越しいただき誠にありがとうございました。
全4回+今回の特別講演の日の出医療福祉グループ主催ダイバーシティ研修も残すところあと2回となりました。
次回は1月9日(木)に開催予定となります。参加申し込みを昨日より開始しておりますので、よろしくお願いいたします。
日時:1月9日(木)15:30~17:30
組織における外国人採用・就業・登用などの取り組みにより、「誰もが働きやすい職場づくり」を目指す。